
SPYD1本で配当金生活できる商品なのか知りたい。
このような悩みを持っている方向けの記事です。
どうも、Seriです。
配当利回りが高い商品として人気のあるSPYDですが、世の中ではやたらオススメされており、購入を推奨されているように見受けられます。
しかし、SPYDの特徴を知らずに買うと、毎年配当金生活できるか不安が一生消えない生活が待っています。
実は私も投資1年目の時にSPYDを購入して失敗してしまったことがあるので、その経験も踏まえながらSPYDの魅力や適性な人、注意点を解説していきます。
この記事1つで、SPYDの特徴や向き不向きが分かるだけでなく、あなたのお金も時間も無駄にならなくなります。

高配当株投資を成功させたい方は最後までご覧ください。
SPYD:S&P500の高配当銘柄上位80社の選抜メンバー
| 評価・おすすめ度 | ★★★☆☆(3/5) |
| 正式名称 | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF |
| ティッカー | SPYD |
| ベンチマーク | S&P 500 高配当指数 ※S&P 500構成銘柄の配当利回り上位80銘柄 |
| 設定日 | 2015年10月21日 |
| 経費率 | 0.07% |
| 直近配当利回り | 4.36% |
| 過去5年の増配率 | 1.21% |
S&P500構成銘柄から配当利回りが高い上位80銘柄を選抜したETFがSPYDです。
純資産総額は約1.1兆円とVYMと同等の規模があり、激安な経費率や配当利回りが高い点が魅力的な商品です。
設定来の平均年間トータルリターンは9.06%。大型株で構成されていることから基準価格の上昇率は低めであり、トータルリターンの半分が配当金です。

一方で、基準価格のボラティリティ(減少に転じる動き)が大きいですが、配当金を重視する投資家から根強い人気があります。
SPYD5つの魅力
SPYDの魅力は5つあります。
・大型株による安定性
・構成銘柄に偏りが無い
・過去10年以上続く4%越えの配当利回り
・長期配当金投資に向いている
・新NISAの対象ファンド
大型株による安定性
冒頭でも触れましたがSPYDは、米国の上位500社を集めた指数「S&P 500」の中から、配当利回りが高い上位80銘柄を機械的に選抜しています。
【S&P 500とは】
米国の主要産業を代表する500社により構成されており、米国市場の時価総額の約80%をカバーしている。
〈参考:S&P500 HP〉
S&P500に選抜されること自体が厳しい選定基準のため、SPYDは他の米国高配当ETFのような選定基準を持っていません。

SPYDは大型・成熟企業で構成されていることから、基準価格が伸びにくい点には注意が必要です。
構成銘柄に偏りが無い

SPYDは銘柄ごとの時価総額にかかわらず、1銘柄あたり1.25%ずつ均等な比率で投資を行う均等加重方式を採用しています。
特定の1銘柄の配当金が減配しても、ポートフォリオ内の配当金を残り全体の98.75%が補うことができることから、1社に依存しない分散が効いた構造になっています。

また、1月と7月の年2回リバランスがあるため、高配当でなくなったダメ銘柄を入れ替えることで一定の高配当利回りが実現できています。
過去10年以上続く4%越えの配当利回り

〈参考:Seeking Alpha〉
上記グラフは、SPYD設定日以後の配当利回り推移です。
設定日直前や2022年のコロナ明けの景気回復時期を除くと、配当利回りが4%を超えています。
他の高配当ETFみたいに購入タイミングを計らなくても、配当利回り4%で購入できることが最大のポイントです。

買った瞬間に配当利回りが決まることから、価格が上昇して配当利回りが3%台に落ちても、あなたの配当利回りが変動することはありません(減配を除く)。
【例】
配当利回り5%時点でSPYDを100万円分購入したとしましょう(配当金5万円)。
数年後SPYDの価格が100万円から、200万円に上がると配当利回りは2.5%まで落ちます。
しかし、あなたが買った元本100万円に対する配当金の金額(5万円)は変わらないので、価格が変動したとしても配当利回りは5%のまま変わりません。
※200万円に対する配当利回り2.5%は、200万円で購入した人の配当利回りです。

※自動で配当利回りを高く購入する方法は、別記事で解説予定です。
【初心者必見】配当利回りが高くなる米国高配当ETFの買い方(指値注文)
長期配当金投資に向いている
SPYDは経費率が0.07%であるので、配当金生活を支えるファンドになり得ます。
投資信託やETF(上場投資信託)は、プロが運用することから運用コスト(経費率)が配当金から引かれます。
配当利回り4%だったとしても、経費率が4%であれば配当金は0円です。
経費率0.07%は、100万円投資していたら年間700円(1日約1.9円)のコストがかかる計算です。

自動で多くの配当金を生んでくれると考えると、激安さが分かると思います。
※経費率については別途記事で詳しく解説します。
【9割が知らない】ETF(上場投資信託)の運用金額と経費率の関係
新NISAの対象ファンド
SPYDは新NISAの成長投資枠の対象ファンドであることから、税金がお得になります。
特定口座で運用したSPYDの配当金に対して、日本の税金(20.315%)と米国の税金(10%)が差し引かれます。
SPYDの配当利回りは4%→2.87%まで減少することになります。

NISA口座で運用することで、日本の税金(20.315%)が免除され、配当利回りが3.6%まで回復します。
※米国小配当ETFのリスクについては別記事をご覧ください。
【注意!】新NISAを活用した米国高配当ETFの問題点とリスクを徹底解説
SPYDに向いている人・向いていない人
SPYDの魅力を見てきましたが、万人にオススメできる商品ではありません。
SPYDは、今の配当金収入を増やしたいニーズに応えてくれる商品です。
一方で、生活費の基礎にしたい人には全く合わない商品です。
向いている人:今の配当金収入を増やしたい人
高配当株投資は、手元の使えるお金(キャッシュフロー)を増やす投資法です。

SPYDは高配当株投資を体現してくれる商品になりますが、主に4つのタイプの人に適していると考えます。
| タイプ | 具体的な考え方 | 理由 |
| 今の手取りを増やしたい | 配当金を日々の生活費や、自分へのご褒美に使いたい | 他のETF(VYM等)より配当利回りが高く、「今」使える現金が最大化されるため。 |
| 出口戦略を考えたくない | 売却タイミングや相場の良し悪しを一切考えたくない | 「売って現金化」する必要がなく、持ち続けるだけで現金が振り込まれるから。 |
| 高配当株投資初心者 | タイミングを計らず、今すぐ高配当株投資を始めたい | 常に配当利回り4%越えのため失敗しにくい |
| 分散を広げたい | 不動産・金融セクターのような景気敏感株を強化したい | VYM等には少ない「不動産」や「金融」が大きな比率を占め、ポートフォリオの補完になるため。 |
SPYDは他の高配当ETFに比べて、長期的なトータルリターンや配当利回りは劣りますが、今使えるお金を最大限増やしてくれるので、今の生活を犠牲にしない点が最大のメリットです。
向いていない人:生活費の基礎にしたい人

〈参考:Seeking Alpha〉
SPYDの配当金だけで生活をしていくことは難しいです。
図のように、SPYDは毎年の配当金が増えたり減ったりすることから、SPYD1本だけに集中投資すると、

今年はお金足りるのか不安じゃ…
と、毎年不安になりながら生活することになります。
SPYDは配当利回りが高い大企業をただ選抜しているだけなので、配当利回りの安定性はありますが、配当金の安定性や成長性を放棄している商品です。

包丁と同じで、使い方を間違えると人生が破綻しかねない商品に変わることもありえるので、適切に扱いたい商品です。
SPYD集中投資をオススメしない4つの理由
SPYDそのものはとても良い商品ですが、生活費の基盤にはなりえません。
理由は配当金の安定性と成長性に欠けるからです。
安定性と成長性を阻害する要因は4つあります
・減配実績が多い
・インフレに弱い(増配率が低い)
・業種(セクター)のバランスに偏りがある
・中・小型株が入っていない
1つずつ見ていきます。
減配実績(配当金が減ること)が多い

〈参考:Seeking Alpha〉

今年100万円の配当金をもらえた!
一年後

今年は80万円の配当金だった…
というケースが頻繁に起こるのがSPYDです。
過去10年のグラフを見ても4年は減配実績があり、毎年40%の確率で減配することが分かります。
減配は配当利回りの低下だけでなくて、手取りが減少することに繋がるのでSPYDを生活の基盤にしてしまうと、

今年は増配してくれないと生きていけない…
神様お願いします!
という毎年60%増配する確率を祈る生活になります。

配当利回りが高い大企業や株価が下がって配当利回りが上昇した企業等、毎年SPYD内の企業のメンツが入れ替わることから、配当金がブレブレになります。
インフレに弱い(増配率が低い)
SPYDは増配率が低いことから、インフレに弱く、長期の配当金投資には向きません。

世界の人口は増え続け、需要が拡大し、モノやサービスを享受する人が増えるので、インフレ(価格の上昇)が起きます。
直近のアメリカのインフレ率は2~3%ですが、SPYDの増配率は過去10年で1.21%であり、インフレ負けしています。
日本もコロナ明けの2022年に以降からインフレ率が2%を超えてきており、今も将来も年々実質的に使えるお金が減っていることが確認できます。
業種(セクター)のバランス

〈参考:STATE STREET INVEVESTMENT MANAGEMENT〉
SPYDを構成する業種(セクター)の約52%が景気敏感株で構成されています。
景気敏感株:景気動向によって、業績が大きく変動する銘柄のこと
〈引用:三井住友DSアセットマネジメント〉
不動産・金融・エネルギー・素材は金利上昇や関税等の地政学、消費者の需要の変化などの要因で、利益が上にも下にもブレやすいです。
配当金は企業の利益部分から出されるので、金利上昇・物流コスト上昇・需要減といった利益が減少する局面では、減配の可能性が十分にあります。
実際にSPYDは配当金が減配されているので、景気敏感株の配当金への依存度が高いです。

逆に他の高配当ETFは、不動産セクターが除外されていることから、より多くのセクターに分散する観点から、SPYDを購入しています。
中・小型株が入っていない
配当金を増やすためには、企業の利益が増えていかなければなりません。
S&P 500指数は米国の上位500社を集めた、市場の80%の時価総額を占めるファンドなので、SPYDを構成する80社の大企業は、市場の大半のシェアを獲得した利益の増大が見込めない成熟企業です。
設備投資をしても、利益は変わらないので、余った利益のほとんどを株主へ配当金として還元しているのが大企業です。
大企業の弱点は、中小企業のように設備投資をして、毎期の利益を増やしながら、毎年配当金を増配し続けるのが困難な点であると言えます。

高配当投資では、ある程度中小型株をポートフォリオに入れることで、インフレに負けず、毎年受け取れる配当金が増やしていくことができます。
よくある質問

いつが買い時なのか
A.分かりません。
人それぞれ、目標が違うので一律なことは言えません。
達成したい目標から逆算して配当利回りを決定する必要があります。
しかし誰一人として将来の価格や配当金の増減配は読めないので、買うときは勢いです。
いつどのくらい買い増ししていけばいいか分かりません
A.一定の目安を決めておくことは重要です。
筆者は購入時点から20%下落したタイミングで、ガッと買い増ししています。
結局は、質問者さんの資金や投資目的によるところですが、過去の配当利回りも参考にしながら決めてもよいと思います。
毎日株価見るのはちょっとしんどいです
A.指値注文することで自動的に買えます。
特にマネックス証券は、90日間ほったらかしで自動買い付け設定できるのでおすすめです。
マネックス証券は米国市場の取引時間が最も長いことから、配当利回りが高くなったチャンスを逃しません。
マネックス証券の指値注文のやり方については別記事で解説予定です。
【初心者必見】配当利回りを上げるマネックス証券の指値注文方法を完全解説!
米国高配当ETFを毎月定期積み立てするのは、いい選択ではないでしょうか?
A.いい選択ではありません。
高配当株投資は購入時点の配当利回りが全てなので、配当利回りが低い状態で買い続けていたら多額の資金が必要になります。
少なくとも、会社員のように年収がほぼ固定されている私たちは、タイミングを計って投資をすることで、資金効率を高める必要があります。
※【初心者必見】配当利回りを上げるマネックス証券の指値注文方法を完全解説!
SPYDは高配当利回りだが、1本集中投資は避けるべし
SPYDは「S&P 500」から配当利回りが高い順に80銘柄を選抜しており、配当利回りが常に4%を超えていることから、今の手取りを増やす点においては魅力的です。
一方で、景気敏感株の割合が多いことから毎年40%の確率で減配が起きたり、インフレに負けたりするので、配当金生活の基盤になることはできません。

他の高配当ETFと組み合わせて、セクター分散させたり、今の手取りを増やしたりすることで、配当金の安定性と配当利回りの底上げが可能です。
組み合わせについては、別記事で解説しているので参考にしてみてください。
【最短で配当金生活】年間配当利回りを爆上げするスパイスがSPYDである3つの理由


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