
HDVってどういうファンドなんだろう?

毎年30万円の安定配当を出してくれるのかな?
このような悩みを持っている方向けの記事です。
どうも、Seriです。
高配当ETFを買うときの候補として挙がるものがHDVではないでしょうか?
HDVに限らず、よく理解せずに商品を購入したり投資したりすると、思ってもいなかったような結果になってしまうことがあります。
この記事では米国高配当ETF「HDV」を深堀して、どんな人がこのファンドを買うべきか?というところまで踏み切ってお話していきます。
HDVの概要
ティッカー名:HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)
資産運用会社:BlackLock(ブラックロック)
設定日 :2011年3月29日
運用総額 :約135億ドル(日本円だと2兆円強)
運用総額が大きいと運用コスト低下やファンド消滅のリスク軽減メリットがあります。
これについてはまた別記事で解説します。

日本はおろか、米国の中でもかなり高い水準の運用総額だよ!
ベンチマーク(指数)
HDVのベンチマークは、モーニングスター配当フォーカス指数(Morningstar Dividend Yield Focus Index)。
HDVはこの指数の成果を目指した運用を行います。
この指数は、「利回りが高い株」を集めた平均ではなく、「米国企業の財務健全性上位75社」の平均です。
①競争優位性
②不確実性(将来収益の見込みやすさ)
③デフォルト(倒産)リスク
(参考:モーニングスター社HP)
他者が参入できない競争優位性やデフォルトリスクが低い企業75社を集めた株価の平均が、モーニングスター配当フォーカス指数(Morningstar Dividend Yield Focus Index)になります。

「①ライバル会社が参入しにくい」「②将来の収益の目処がたっている」「③倒産しにくい」厳しい3つのフィルターを通しているんだ。
選定基準
HDVの銘柄は財務健全性が高く、倒産リスクが低い米国企業の中から、配当利回りの高い上位約75銘柄から配当総額加重方式で構成されます。
〈データ元:BlackRock社〉
銘柄入れ替えは毎年3月、6月、9月、12月の四半期ごとに行われ、新陳代謝が起きます。
財務健全性
モーニングスター社が評価する、競争優位性とデフォルトリスクのことです。
他企業が太刀打ちできないだけの競争力と倒産リスクの低さを軸に選出しています。
【競争優位性】
・Wide(ワイド・モート):競争優位性が「20年以上」続くと判断される企業
・Narrow(ナロー・モート):優位性が「10年以上」続くと判断される企業
(参考:モーニングスター社HP)
※モートは、城の周辺に掘られた「水堀(防御用の溝)」を意味します。
モーニングスター社の「デフォルトまでの距離(Distance to Default)」スコア
・【モート有り】上位50%以内
・【モート無し】上位30%以内
・【現在の構成銘柄&モート有り】上位60%以内
(参考:BlackRock社)
配当総額加重方式
企業が実際に株主に対して支払った現金の総量のことです。
時価総額(市場の人気)で比率を決めるインデックスファンドとは違い、「実際にいくらのお金を配当として支払ったか」還元実績で銘柄の比率を決めます。

配当金が高い銘柄が選出されるなら、配当金を1番多く出す1銘柄だけしか選ばらないのでは?

1つの銘柄の配当金に頼らないことで配当金の安定を図っているんだ!
詳しくは次で説明しているよ。
構成銘柄のルール
配当総額加重方式といっても配当金を最も多く出す企業だけを選ぶというわけではありません。
安定した配当を出すために、1つの銘柄からの配当金割合や業種別の割合を定めた3つルールがあります。
1.1銘柄あたりの配当金が全体の10%以内
2.1銘柄で配当金が5%を越える銘柄は全体の50%以内
3.1つのセクター(業種)が全体の40%以内
参考:モーニングスター社資料(配当金割合)
モーニングスター社資料(セクター割合)
ポートフォリオ全体の配当金が偏っていないか?セクターの分散はできているか?等、あらゆる分散を行う観点は、高配当株投資におても大事なルールになります。
現在のセクター(業種)内訳
2026年2月現在のHDVのセクター(業種)内訳は以下のとおりです。

(参考:BlackRock社)
HDVの構成比率は、景気に左右されにくいディフェンシブセクター(生活必需品・ヘルスケア・公益事業など)が7割近くを占めます。
上位セクターや銘柄に偏りがある点が少し難点でありますが、配当金の継続性と安定性については、競争優位性とデフォルトリスクのフィルターによって担保されています。

ディフェンシブセクターの比率が50%を超えているから、かなり安定した配当を期待できるよ。
経費率(運用コスト)
HDVの経費率(コスト)は0.08%です。

たった0.数%でしょ?そんなに変わらなくない?
経費率(運用コスト)は高配当ETFを運用するにあたり超重要な値です。
なぜなら、配当金から優先して差し引かれるからです。
一般的な米国高配当ETFや日本高配当ETFでは大体0.3%程度なので5倍も違ってきます。
【HDV】
元本1,000万円×経費率0.06%=年間コスト6,000円
【日本高配当ETF】
元本1,000万円×経費率0.3%=年間コスト30,000円
上記が配当金から優先して差し引かれるので、配当利回りが減少します。
【HDV】
元本1,000万円×配当利回り3%=年間配当金3万円
年間配当金30万円ー年間コスト6,000円=294,000円(配当利回り2.94%に減少)
【日本高配当ETF】
元本1,000万円×経費率0.3%=年間コスト3,000円
年間配当金3万円ー年間コスト3,000円=270,000円(配当利回り2.7%に減少)
少しでも配当利回りを上げる・配当金の手取りを増やすには、経費率(運用コスト)が低いETFに投資することが大切です。
経費率(運用コスト)については別記事で解説します。

このブログで解説する高配当ETFは全て経費率(運用コスト)が激安だよ!
HDVに向いている人=インカムゲイン重視
HDVに向いている人は、「すぐに安定した配当金を得たい人(インカムゲイン重視)」です。
その理由は3つ
・配当利回り水準が高いから
・ボラティリティが小さいから
・長期的には増配傾向だから
配当利回り水準が高いから
HDVは配当利回りの水準が高いことから、買いたい!と思ったときに高い配当利回りで買いやすいのが特徴です。
〈過去10年の配当利回りの推移〉

(参考:Seeking Alpha )
高配当株投資は一般的に「3%以上の株を買って配当金を得る」という投資法ですが、ご覧のとおり常時配当利回りが3%を上回っています。
※直近の2026年現在では株価高騰により配当利回りは2.8%台に落ちています。

「買いたい!」と思ったら高い利回りで買えるケースが起きやすいから、初心者にも優しい商品だよ。
ボラティリティが小さいから
他の高配当ETFに比べてボラティリティ(価格の変動幅)が小さいのがHDVです。
〈基準価格の推移〉

(参考:Seeking Alpha )
HDV(赤と緑が混じったグラフ)は他の高配当ETFに比べて急激な値上がりも値下がりも起きていないことが分かると思います。

なんで価格変動幅が低い方がインカム重視に繋がるの?
配当利回りが高水準に保ちやすいからです。
価格の変動幅が大きいと、「絶好の買い場があったのに急に価格が上昇して買えなかった」ということが起きて、配当利回りが低下することがあります。
忙しい現代人は日中や夜中に株式市場に張り付くわけにはいかないので、「買いたい!」と思ったときに買いやすい要因が、ボラティリティ(価格の変動幅)の低さにあります。
長期的には増配傾向だから
毎年配当金が減配したり無配になってしまったら、高配当株投資をしている意味がありません。
そこで、配当金の金額が毎年増えているのか?減っているのか?を可視化したものが下記のグラフになります。
〈配当金の推移〉

(参考:Seeking Alpha )
HDVは2012年の設定日から過去3回の減配はあったものの、長い目で見ると配当金の増配率は右肩上がりになっています。
過去10年の増配率の平均値は約3%です。
【2016年にHDVを買って、2026年まで持っていた場合】
(2016年)配当利回り:約 3%
(2026年)配当利回り:約 4%
配当利回り1%といえども、目標配当金額にかなり近づきます。詳細は下記記事をご覧ください。
HDVは年を経るごとに配当金の金額が増えていき、30年後には配当金が約2.4倍になります。
コロナショック時に大幅に減配していることもあるので、枕を高くして生活するには不安が残るファンドになります。

「高い配当利回り」「ボラティリティが低い」「増配傾向」ということから、インカムゲインを重視しているファンドなんだ。
HDVの購入タイミング
高配当株投資は、少ない元本で資金効率を高めたいので、安く買って配当利回りを高くする必要があります。
【必要な元本の違い】
年間30万円の配当金シミュレーション
・配当金30万円÷元本1,000万円=配当利回り3%
・配当金30万円÷元本 600万円=配当利回り5%
必要な元本(取得単価)を下げると、配当利回りが上がり、目標を達成しやすくなる。
実現するためには買うタイミング(どんな値段になったら買うか?)をあらかじめ決めておく必要があります。
過去のデータを見ない限り実際いくらの利回りで推移しているのか?過去最高はどのくらいだったのか?という相場感が分かりません。

高配当株投資は「買いが全て」と言われるくらい、高い利回りで買うことが重要なんだ。
HDVの過去の配当利回り推移
HDVの過去の配当利回りは下記のとおりです。
〈過去10年の配当利回りの推移〉

(参考:Seeking Alpha )
過去10年は基本的に3%台で推移しています。
コロナショック時の2020年~2021年、シリコンバレー銀行が破綻した2023年は基準価格(株価)が下がり、配当利回りが4~5%に上昇しています。
HDVを高い配当利回りでいつでも買うために、現金を貯めておくことが鉄則になります。
※米国高配当ETFの買い方については別記事で解説予定。

HDVの配当利回りの相場を分かること自体が大切なんだ!
購入ルール
配当利回りが4~5%になったからといって、現金を一気に投入しないことを推奨します。
なぜなら、配当利回りがさらに上昇する可能性があるからです。
配当金÷株価=配当利回り
配当利回りは上記式で算出されるので、4%で買えたHDVの基準価格が下落したら、

買い増しして配当利回りを上げたい!
と考えると思います。
しかし、配当利回り4%の時点で一気に購入してしまうと、4%以上の配当利回りでHDVを購入出来なくなります。
【一気に購入】
配当利回り5%→100万円分購入
👉配当利回りは5%
【分けて購入(ナンピン)】
配当利回り5%→30万円購入
配当利回り6%→30万円購入
配当利回り7%→40万円購入
👉配当利回りは6.1%
過去データは参考値にすぎないので、基準価格が上がるか?下がるか?ということは誰にも分かりません。
買うタイミングを分散して配当利回りを高くする購入したいので、一気に購入することを推奨していません。※ナンピン基準や考え方についてはまた別記事で解説します。
まとめ
すぐに安定した配当金を得たい人(インカムゲイン重視)
今から年間30万円を得るには配当利回り3%で約1,000万円分を買うことになるので、私を含めた大半のサラリーマンはHDVをタイミングを見ながら高い利回りで買い集めて、増配込みで年間30万円の配当金を目指すことになります。
・競争優位性とデフォルトリスクが低い企業75社による安定配当
・セクターに偏りがあるが、ディフェンシブ銘柄だけで約70%
・価格のボラティリティが小さく、配当利回りが3%で推移している
・配当金は長期的に増配傾向(※減配もある)
・平均増配率3%であり、30年後には配当利回りが7.2%に成長
HDVは他の米国高配当ETFに比べ、高い利回りを安定して出しているので、初心者が一番取り組みやすい(買いやすい)高配当ETFです。
HDVの他にも優良な高配当ETFはあるので、どれが一番自分に向いているのか?じっくり吟味していただければと思います。
あなたの生活が今日よりも明日が良くなるよう、情報を発信していくので次回の記事もお楽しみにしてください!
ではまた!



コメント